The Curious Incident of the Dog in the Night-Time

読んだ

多分3日くらいで読んだが、それに驚いた。flowers for algernonの時は多分1週間くらい読んでた気がするから、今回はすごくはやく読み切った感覚になった。もう終わりなんだみたいな感覚だった。

タイトルが長いからIncident of the Dogと私は呼んでいるが、この本は興味深い面白さがあった。何というか、おそらく多くの人はこの本の主人公に100%では共感しきれないんじゃないかと思う。だからこそ私はこの本に対して最初の感想は正直な本だったなという感覚だった。読者に媚びるわけでなく本当にフィクションの中のこの主人公が作ったのだということを徹底した本だなと。

最初の数ページからこの主人公がやばいんだなということがわかるようになっていて、警官が主人公のことを触ったら鳴き声みたいなものを出して、それでも掴もうとしたら思いっきり警官をぶん殴っている。何というか極度の合理主義者とかでは収まってはいない性格だと思う。この主人公のように私も考える部分はあるがそれ以上に生きるのが大変そう。私としてはこの人生というゲームをクリアしていく気があるのなら他人というNPCの行動原理を理解してそれがどう動くかを予想しながらそれを自分の求める方向に向けるということをやってこそ合理主義者だと思う。この主人公は他人を理解できないと思い込んでいる気がして、もう一つ悟ることができれば最強だっただろうになと思う。そしてそれがflowers for algernonの主人公との違いな気もした。 Incident of the Dogもflowers for algernonも主人公がspecialだった。さらに本としても主人公が書いているという設定に共通していた。でも両者に違いがあって、今回読んだ方の主人公は自分の世界にのみ生きている感じがあって、かつこの本の中であまり成長をしなかったし本当に彼の脳を通して物語が進んでいるようだった。flowers for algernonの方はもう少し他人から見ていた感覚というか、Charlieが書いた日記を見せてもらっている感覚に近かった。 でも絶対に共感できないはずだけど気持ちを理解できたのはこの本のすごいとこだなと思う。つまりあの街中で見るやばい人、が主人公なわけでその主人公がなんでそうしているのかみたいなのが書かれていて理解できるからこそ、あのやばい人を自分の中に感じられる感覚。あぁいう人を今度街で見たらスルーしよって思った。別に彼らは助けて欲しいわけでもなければ、逆にできるだけ関わってほしくないとまで願っているのかもしれないのだし、彼らに優しくしてる俺/私かっけえみたいなエゴの方が醜いんだなということを理解できた。

改めて 本の中で成長しないってすごいなと思う。なんかこれがフィクションでありながらリアルさを感じるのはそこにあるのかもしれない。なんとなく主人公が周りの大人や支えてくれる人たちに触れることで、そしてLondonへという大きな旅を自分一人で行うことで何か彼に発見があったり共感が芽生えたりでもするのかと思っていたら、全くそんなことはなく、最後の方に関しては本当に自己中心的な言動で、それがすごく興味深くて、本当を見せている感じがした。終わり方もおもろかったな。なんというかそもそも誰が犬を殺したのかを明快に解決して終わる本なのかと思っていたらその正体自体はスッとお父さんが自白するし、そこで多分半分くらい。残りはChristopherがお父さんから逃げてお母さんのところに行って、それぞれの人生を結構ぐちゃぐちゃにするというパート。そんで最後、 僕ならやれるさ、なぜなら僕はLondonにも頑張って行ったんだから みたいななんかかっこいい感じにしている。けど普通に結構やば人だなと思う。

この本はもしかするともっと小さい時に読んだ時と今とかのタイミングとで感じるものが違ったりするのかなとかも思っていた。Christopherに没入するんなら隠れて本を書くとことかお父さんから逃げるとことか電車のところとか、ヒヤヒヤしたり怖がったりしながら読んで、よかったねみたいになるのかもだけど、今読むとお父さんの気持ちとかお母さんと再婚相手のとことか、結構可哀想だと思うとこのほうが多い。こういうのがもしかするとこの本がすごく評価されている所以なのかもしれないな。 なんかすごいいろんな賞をもらったりしてる本らしいみたいなとこから読んだからほんとにすごいミステリーなのかなとかどんでん返し系なのかなとか思ってたらこういう考えさせられる系という意味で評価されていたんだなと思った。

早く読めた理由はおそらく端的な言い回しで主人公がすごく正直な人間だから文体が読みやすかったんだと思う。感情とか綺麗な表現とかがほとんどなくて、事実を述べていく感じだったからスッと読めた。 でもこんだけ早く読めたら嬉しい気持ちだったな。あとWhite Lie はいい言葉だなと思った。あるよね、嘘ではないけどほんとのことも言ってないって時。

flowers for algernonの方が好みではあるが、The Curious Incident of the Dog in the Night-Timeも相当面白かった。